会社を経営していると、必ず「ミッション/ビジョン/バリュー」という単語を耳にします。
「単語の意味自体は難しくないため、何となく理解はできるが、説明してと言われたら形容しがたい」
「考えなければならないのは理解しているが、どのように考えればいいのかわからない」
という人は多いのではないでしょうか。
今回は、ミッション/ビジョン/バリューとはそもそも何なのか、どのように考えていけばいいのかを、例えを用いながらわかりやすく解説します。
もくじ
ミッション/ビジョン/バリューの基礎知識
ミッション/ビジョン/バリューとは、何のために存在するのでしょうか。
ここでは、ミッション/ビジョン/バリューとは一体何なのか、どんな意味を持つのかを解説します。
ミッション/ビジョン/バリューとは?
ミッション
日本語訳:使命、任務
ミッションとは、会社が果たす使命や任務です。
「世の常識を変える」や「世界に発信する」など、会社が社会的に担う役割がミッションです。
ビジョン
日本語訳:視覚、夢、未来像
ビジョンとは、会社が実現したい世界や未来を指します。
「全員が幸せな世界」や「もっと便利な世の中」など、今後どういう状況が望ましいかを言語化したものがビジョンです。
バリュー
日本語訳:価値
バリューとは、会社の根幹にある価値観です。
「常に正しく」や「カスタマーファースト」など、仕事をする上で大切にしてほしい行動基準が、バリューにあたります。
ミッション/ビジョン/バリューはなぜ必要なの?
ミッション/ビジョン/バリューは、社員が同じ方向に向かって仕事をするために必要です。
ミッション/ビジョン/バリューがない状態だと、社員各々が思いのままに仕事をすることになり、大きな力を生むことはできません。
ミッション/ビジョン/バリューは、仕事をする上での判断基準となるため、しっかりと考えましょう。
ミッション/ビジョン/バリューを設定するメリット
ミッション/ビジョン/バリューが定まると、会社の共通言語となります。
「何のためにやるのか」と聞かれた時に、ミッション/ビジョン/バリューが答えとなるのです。
その全体の目標が見れているのといないのでは、成果に大きな差が生じます。
例えば、有名なところでレンガ職人の話があります。
「なぜレンガを積み立ててるのか」という質問に対して、
①「レンガを積み立てろと言われたから積み立てています」
②「教会を造るためにレンガを積み立てています」
③「多くの人の心の拠り所となる教会を造るために積み立てています」
と3種類の回答が返ってきました。
③の回答の「多くの人の拠り所となる」がミッションにあたります。
③の人は、きっとよい仕事をしたことでしょう。
ミッション/ビジョン/バリューを決める方法とは?
それでは、ミッション/ビジョン/バリューはどのようにして決めるのでしょうか。
ミッション/ビジョン/バリューの決め方を解説します。
いつ決めるの?
そもそも、会社はミッションありきで設立されるのが理想です。
目指したい姿・社会があるから、その手段として会社を設立する。
そのため、ミッション/ビジョンは創業してなるべく早くに決めた方がよいです。
逆に、バリューはやってみないと、どんな価値を提供できるかわからない部分もあるので、初めから決まってる必要はありません。
事業を回していく中で、どんな価値を提供できるのか考えましょう。
誰が決めるの?
会社の中心となる人物で決めるのがよいです。
ミッションビジョンバリューは会社の根幹になる部分なので、会社の中心人物が成し遂げたいこと・達成したい未来を描き、社員に伝えていきます。
どうやって決めるの?
①ブレインストーミング
まずは思い描いているイメージを言語化するところから始めます。
「成し遂げたいこと」「実現したい未来」と聞いて、パッと思い浮かんだものをポストイットに書いては貼るを繰り返します。
②原体験を探る
ポストイットに書かれた単語をイメージしたのは何故なのか、その原体験はどこにあるのかを考えます。
株式会社LOGZでは
「みんなが」「ワクワク」「笑顔で生きる」
という単語に対し、
「社長の弟が統合失調症になって、障がいがある人でも幸せに生きる社会を創りたいと思った」
という原体験があります。
この原体験があるからこそ、共感を生みやすいのです。
③単語をつなげて理想の状態を表現する
ポストイットに並んだ単語で重要なものをピックアップします。
その単語をつなぎ、成し遂げたいことを表現します。
株式会社LOGZでは「誰もがワクワク、笑顔で生きる社会を創る」というミッションになりました。
どのくらいの期間で決めるの?
どのくらいの期間がかかるかは、会社によります。
しかし、ミッションビジョンバリューは会社の根幹であり、とても重要なものです。
何度もブラッシュアップして、納得のいくものにしましょう。
弊社ではミッション合宿で、一晩中ミッションだけを考えることもあります。
よいミッション/ビジョン/バリュー
ミッション/ビジョン/バリューは社員や一般の人が理解しやすいものがよいです。
社員、一般受けを狙う必要はありません。
洗練されたミッション/ビジョン/バリューには、自然と共感した人が集まります。
ミッション/ビジョン/バリューの例
成長している会社のミッション/ビジョン/バリュー例を紹介します。
アカツキ
ミッション
「Make The World Colorful」
心動く体験を通じて、一人ひとりの人生を豊かにしていくことを使命として、エンターテイメント事業を行なっています。
ビジョン
「A Heart Driven World」
「心がワクワクする活動こそが、世界を輝かせる」という想いから、心の求める活動で人々が幸せに生きる世界の実現を描いています。
ファーストリテーリング
ミッション
本当によい服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、よい服を着る喜び、幸せ、満足を提供します。独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、社会との調和のある発展を目指します
ビジョン
服を変え、常識を変え、世界を変えてく
バリュー
お客様の立場に立脚
革新と挑戦
個の尊重、会社と個人の成長
正しさへのこだわり
株式会社MTG
ビジョン
一人ひかる、皆ひかる、何もかもひかる
一人一人が輝くことの範囲が広がっていき、最終的には世界中何もかもが輝く世界の実現を、ビジョンとして掲げています。
株式会社LOGZ
ミッション
誰もがワクワク、笑顔で生きていく世界を創る
ミッション/ビジョン/バリューは決めた後も大事
ミッション/ビジョン/バリューは決めて、それで終わりではありません。
実際に働く社員が体現していなければ意味がありません。
ここではミッション/ビジョン/バリューを決めた後にやるべきことを紹介します。
ミッション/ビジョン/バリューの浸透のさせ方とは?
弊社では、月に一度の理念浸透プログラムを実施しています。
チームになって、ミッションに対してどう考えているか、ミッションをどう体現していくかをディスカッションしています。
その他にも、配布資料にミッションを書いていたり、壁に掲示したりと、なるべく社員の目のつくようにしています。
そして何よりも、経営幹部がミッションを大事にしながら仕事をしているということを積極的に発信しています。
迷った時は必ず立ち返る
何か選択を迫られ、決断に迷った時に、必ず振り返りましょう。
ミッションを決めた時の想いは実現できるのかどうか。
本当に実現したい世界は、この方法でいいのか。
ミッションは、会社にとって決断する時の判断軸になります。
ビジョンやバリューは会社の状況によって変わるもの
ミッションは仕事を通して果たすべき使命なので変わることはありませんが、ビジョンやバリューは変わっていきます。
ビジョンは、中長期的にみて実現したい夢や未来像。
バリューはそれに対してどのような価値観を貫くか。
ビジョンとバリューは会社の成長や時代の変化によって変わるものです。
状況に応じて見直して、最適なビジョン/バリューを持ちましょう。
まとめ
いかがでしたか?
ミッション/ビジョン/バリューはとても抽象度の高く、難しいですが、会社の成長には欠かせないものです。
ぜひこれを機に今一度考えてみてください。